1954年発売 ハーツフィールド

大変貴重なスピーカーが入荷しましたのでご紹介させて頂きます。
1954年発売のJBL D30085 The Hartsfield オリジナル、モノラルスピーカーです。

当店でも斜めホーン型のオリジナルハーツフィールドを所有しておりましたが、今回のハーツフィールドは1954年に発売された最初期型のハーツフィールドでございます。まだ輸入商社などない時代にアメリカより直接輸入した商品になります。

JBLのロゴはバッチのない印刷されたロゴ仕様です。

1948年のLPレコード誕生前後に世界中のオーディオメーカーからハイクオリティ再生を目指したスピーカーシステムが登場し始めました。スピーカーに対する要求も高度化し、低域は20Hzまで、高域は20kHまでの全可聴範囲の再生が目標となりました。世界戦争も終焉し、平和の時代への転換と共に産業界も軍需から民需への転換期でもありました。

ヴァイタボックス社「CN191コーナーホーン」、エレクトロボイス社「ザ・パトリシアン」、タンノイ社「オートグラフ」が次々に発表されました。

これを追うように1954年、独自のフロントロード型折り曲げホーンによるJBL「ハーツフィールド」が誕生します。

JBLの偉大なる世界遺産

かつてステレオサウンド誌で特集されたハーツフィールドを参考に内部のメンテナンス、補修作業を行いました。

大型スピーカーの至宝―オーディオの世界遺産
(別冊ステレオサウンド オーディオの世界遺産)

ハーツフィールドを寝かせた状態にして、底面の木ねじを外しハーツフィールド本体の外装ジャケットをスライドさせます。

ジャケットをスライドさせると「N500H」ネットワーク、「375」ドライバーが現れます。搭載された375もバブルバックのチジミ塗装となっております。内部配線はネットワークからユニットまでの配線が劣化でぼろぼろになっていましたので年代相応のウエスタン系スピーカーケーブルに交換しました。ネットワークからスピーカーターミナルまでは、無事でしたのでオリジナルの保証はありませんが、そのままのケーブルを使用しています。

150-4Cウーファーが取り付けられている開口部です。斜め下向きにバッフルに取り付けてあります。

N500Hアッテネーター調整用のエンクロージャー穴。ステレオサウンド誌のハーツフィールドは左側面だがこちらは反対の右側面に開いている。

ステレオサウンド誌を見ていて気付いたのですが、高域用音響レンズが取り付けられたバッフルが、一段前に出ています。1957年頃のハーツフィールドからはバッフルはフラットになっていますので若干の設計変更などがなされたようです。

ハーツフィールド設計の折り曲げホーン

ハーツフィールド初期型の内部構造。複雑なフロントロード型構造の折り曲げホーンを採用し、部屋のコーナーに設置することで、両側の壁面や床面をイメージホーンとして利用する構造です。

JBL 150-4C 16Ω ウーファー JIM Lansing印の初期タイプ

究極の夢のスピーカー

このハーツフィールドは1954年5月に発売され、期待どおりの大好評を博しました。1955年には「ハイフィデリティ」誌により家庭用スピーカーの中で最も高い評価をあたえます。加えて「ライフ」誌では、ハーツフィールドは市場でもっとも優れたスピーカーと称し、「究極の夢のスピーカー」とまで讃えられました。

搭載ユニットも、シアター用として実績を誇る信頼性の高いものを搭載し、エンクロージャーのデザインも洗練されたLPレコードに代表される新時代のをイメージさせるスピーカーでした。

当時JBLが発行したプライスリストによれば「D30085ザ・ハーツフィールド」の名でシステム発売が記されており、「D30085M」が726ドル、「D30085B」が735ドル(MとBはエンクロージャー仕上げの違いでMはマホガニー、Bは材質不明だがブロンドと呼ばれる明るい色調のウッド仕上げ)となっております。

現在、当店で試聴も可能となっております。
販売価格など詳細はお問い合わせ下さい。
当店指定のピアノ便輸送で全国配達可能です。