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SANSUI AU-D707 両chから突然のノイズ
こんにちは。オーディオ専門店、ジャストフレンズです。今回は、お預かりした SANSUI AU-D707 の修理内容をご紹介いたします。
定番の予防整備では治らなかった、少し手強い事例でした。
SANSUI AU-D707 修理のご相談(全国発送OK)
- 突然「ザー」「ジー」というノイズが出始めた
- 左右同時にノイズが出る/音が濁って聴こえる
- 出力トランジスタ(2SD382 / 2SB537)が焼けた
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お預かり時の症状
お客様からのご相談は「CDを聴いていたら、突然ザーッ、ジーッというノイズが両方のスピーカーから出始めた」という内容でした。
症状の特徴は以下の通りです。
- 左右両方のスピーカーから同時にノイズが出ている
- 電源を入れ直しても消えない
- ボリュームを絞ってもノイズは残る
- ノイズは出たり消えたりを繰り返す(完全ランダム)
SANSUI AU-D707 の特徴
AU-D707は、SANSUIが1970年代後半に発売した全段直結・ダイヤモンド差動設計のプリメインアンプ。当時のハイエンド設計の名機で、今も根強いファンが多い機種です。
まずは定番の予防整備:黒旗コンデンサの全数交換
SANSUI AU-Dシリーズのノイズ故障で、まず疑うべき定番ポイントがあります。それが基板上にたくさん並んでいる黒くて小さなコンデンサ、通称「黒旗」と呼ばれる部品です。
この部品は製造から40年以上経つとほぼ例外なく劣化します。放置すると最悪の場合、出力トランジスタ(2SD382 / 2SB537)が焼き切れることも。そうなると修理費用は跳ね上がり、交換部品の入手も困難になります。
AU-D707の内部には黒旗コンデンサが何十個も使われています。当店では、SANSUI AU-Dシリーズの修理では黒旗全数交換を標準メンテナンスとして行っています。
今回もまず、黒旗コンデンサを全数新品に交換しました。
ところが、ノイズは治らず
黒旗全数交換と各部調整を終えて通電テスト。しかしノイズは変わらず出続けていました。
これは経験上あまり遭遇しないパターンです。真の原因は別にある、と判断して切り分けを進めました。
切り分け:プリ部とパワー部を分離
AU-D707は背面のPRE OUT / MAIN IN を、スイッチ操作でプリアンプ部とパワーアンプ部を切り離せます。
この状態でMAIN INのみの動作にし、パワーアンプ単体ではノイズはほぼ出ません。つまりノイズの発生源はプリアンプ側と確定しました。
真犯人:電源部の100µF電解コンデンサ
プリアンプ側をさらに追い込むと、ノイズ発生時に電源電圧そのものがフラついていることが判明。原因はプリアンプ用電源基板にある100µFの電解コンデンサが容量抜けを起こしていたことでした。
- 左右のプリアンプに共通で供給される電源ラインのコンデンサ
- 目立たないサイズだが、電源の安定化に重要な役割を持つ
- 40年経過で容量抜け → 電源が揺れる → 両ch同時にザーノイズ発生
- 出たり消えたりするランダム性も、電解コン内部の間欠不良で説明がつく
この部品を新品に交換したところ、ノイズは完全に解消しました。
今回の修理でわかったこと
- SANSUI AU-Dシリーズのノイズ故障は黒旗コンデンサが定番の原因(これは間違いない)
- しかし黒旗だけが原因とは限らない。電源系の電解コンも同様に40年選手なので、複数箇所が同時に劣化している
- 「定番パーツを交換しても治らない」場合、切り分けによる真因追求が必要
作業のポイント(失敗しないために)
- まず黒旗コンデンサの全数交換は避けて通れない工程(どうせ劣化しているため)
- 治らない場合は、プリ/パワー切り離しで原因の所在を明確にする
- 電源系の電解は、大きい部品ほど疑われがちだが小さい部品こそ盲点になる
- 全段直結の設計ゆえ、交換後は各部の再調整が必須
動作確認
組み戻し後、以下を重点的に確認しました。
- 長時間再生でもノイズが出ないこと
- 電源投入直後から安定してノイズが出ないこと
- スピーカー端子の直流電圧が安定していること
結果として、両chのザーザーノイズは完全に解消しました。さらに音の透明感が戻り、高音の荒れもなくなり、低音の力感も増しています。オーナー様からは「新品のような音になった」と喜んでいただけました。
再発防止のアドバイス
- 40年選手は黒旗コンデンサだけでなく、電源系の電解も含めた総合整備が安心
- 症状が出始めたら早めに点検(放置すると出力段まで壊れて作業範囲が広がります)
- 自己流での内部メンテナンスはおすすめしません(黒旗コンデンサは熱に弱く、素人作業で他の部品を破損させるリスクがあります)
機種ごとの注意点(AU-Dシリーズ)
- 今回の症状は、AU-D607 / AU-D707 / AU-D907 で共通して発生する可能性があります
- 「音は出ているけどなんとなく昔と違う」レベルでも、内部の劣化が始まっている可能性あり
- 早めの総合整備で、出力トランジスタ破損という最悪の事態を防げます
修理費用
今回の修理費用は 25,000円〜40,000円 の範囲となります。
※症状・追加整備の有無で前後します(出力トランジスタの交換が必要な場合など、状態によって変動します)
同じ症状でお困りの方へ(AU-D707 ノイズ/AU-D607・D907も対応)
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まとめ
今回は SANSUI AU-D707 の「突然ザー、ジーというノイズが出始めた」症状に対して、黒旗コンデンサの予防的全数交換と、電源部100µF電解の交換を実施しました。
定番の黒旗交換だけでは治らない症例でしたが、プリ部とパワー部を切り分けて真の原因を特定することで、ノイズは完全に解消。出力トランジスタ(2SD382 / 2SB537)が焼き切れる前の段階で対応できたのは幸いでした。
40年選手のヴィンテージアンプは、一箇所の定番修理だけでなく、複数箇所の総合的な整備が必要です。当店では経験に基づいた切り分けで、表面的な修理では解決しない症例にも対応しております。
大切な機材を、安心してお使いいただける状態に整えるのが私たちの仕事です。ご依頼いただき、誠にありがとうございました。
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