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TANNOY Westminster Royal

ガイ・ルパート・ファウンテンの音楽思想をかたくなに貫いて設計されたWestminster Royalは、芸術品と呼ぶにふさわしく英国王室御用達の特別仕様のスピーカーです。クラシックファンに深く愛され降臨し続けたオートグラフの思想を受け継いでいます。英国の国家的行事を司る由緒ある寺院の名を冠したこの雄大なTANNOY Westminsterは、音楽に対する姿勢と豊かな感性、妥協を許さないひたむきな追求から生まれました。


ガイ・ルパート・ファウンテン(1901年-1977年12月10日)

TANNOYは、ガイ・ルパート・ファウンテンが創業したイギリスのスピーカーメーカーです。本社はスコットランドノース・ラナークシャーコートブリッジにある。
Tannoyは、1926年にTulsemere Manufacturing Companyとして設立された、世界で最も古く最も権威のあるオーディオブランドの1つです。この名前は、創業者のGuy Fountainが合金または混合物で製造したソリッドステート整流器に由来します。 タンタルと鉛 このタンタル鉛合金は、現在世界的に有名なタンノイのブランド名の基礎でした。

内部構造

内容積521L、全重量115kgのキャスター付きエンクロージャー、オートグラフの系譜を受け継ぎ、低域を複雑なバックロードホーン、中域は大型ショートホーン、高域はホーンツィーターで鳴らす、オール・コンパウンド・ホーンシステムとなっています。300Hz以下は3mにおよぶ複雑な音響構造のバックローデットホーンが再生。300Hzから1kHzまではユニット全面の滑らかなカーブの大型ショートホーンが再生。1kHz以上はダストキャップの背面にセットされたホーンツィーターが受もち、三位一体となって理想の音像とハーモニーを奏でます。絹のようなしなやかな高弦、ホール全体を包み込む圧倒的なスケール感が展開します。

ユニットには、15インチ同軸2ウェイユニット3839Wが採用。磁気回路には、従来のアルニコマグネットの3倍の磁気エネルギーを持つ強力アルニコALCOMAX-IIIマグネットを採用。駆動力を大幅に向上させています。高域用のホーン部は、酸化防止の為、24Kメッキ処理がされています。その他、内面に磨き込みを施し、滑らかな滑面化仕上げになっており、高音域ホーン表面での乱反射を低減。伸びのある高音を実現しています。より豊かで奥行きのある音場感を再現するために、高域・低域独立型位相補正(タイムコンペンセイティブ)回路を搭載。プリント基板を排して、潜在の直結により伝送ロスを抑えたハードワイヤード・ネットワークを採用。ハードワイヤード・ネットワークを含む全ての内部配線に、オランダのバン・デン・ハル社製(Vandenhul)の最高級ケーブル、マッチド・クリスタル・シルバー・コーティング線材を採用。確実な高域レベル調整ができ、耐久性にも優れたハイ・カレント・スイッチ(ロックアップ式レベルコントロール)を搭載。
ウェストミンスターロイヤル、それは、真の音楽に向き合う感動、色褪せぬ価値を所有する誇りです。

デュアル・コンセントリック・スピーカー


ウーファーと磁気回路を完全に共有するツィーター、ユニットのセンターを貫通するそのホーンは、そのままウーファーコーンを延長として使い、複合の無駄のないやり方には感心する。他の同軸型2WAYユニット(コアキシャルユニット)でここまでシンプルなものは無い。磁気回路を独立して2個も持っていたり、ALTECの様にマルチセルラーホーンが付いていたりというようにウーファーとツィーターは同軸に配されてはいても、互いに自立した構造のものばかりです。これこそが同じ同軸型でもTANNOYのデュアル・コンセントリックの異なるところであり、明確なアイデンティティです。まさに一体複合型としての有機的構造でありイギリス的合理主義から生まれたアイデアとしか言いようがない。モニターシルバー、モニターレッド、そしてHPDとリファインにリファインを重ねてきたデュアル・コンセントリックは確実に性能向上を果たし続けていることはもちろん、その音もリファインされ続けて品位が向上していることは疑いの余地がない。しかしスピーカーというものは厳密に言えば日が改まれば音が変わるといってよいほど、まるで生き物のようなデリケートさを持っている。年代を経たかつてのユニットの音が複雑な条件が重なり合って新品では鳴らし得ない妙なる音を出す事実は珍しいことではないと菅野沖彦氏は語っている。

究極の音楽体験を求める人々へ

我々は、単なる機械的な接近のみでは本物の音楽的な感動は
得られないということを信ずる。
真に感動的な音楽体験は、繰り返し音楽を聴くことを通じて
音楽の魂に敏感な人々に対して結晶するものである。
そして、彼らは本来、音楽の裡に備わっている
無限の芸術的な興味を理解する事ができるだろう。
(Westminsterプレート上の銘より)